Introductionイントロダクション
独立プロ、ATG、そして現在に至るまで
映画を撮り続ける男の原点がここにある―
映画監督、脚本家として半世紀にわたり作品を撮り続けてきた東陽一が、初めて映画の制作過程や自身についてをカメラの前で語る。これまで多くを語ることのなかった東陽一を約1年間にわたり撮影し、文字表記の一部を旧仮名遣いにした『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』は完成した。
本作では東陽一の幼少期から青年期、そして現在に至るまでの足跡と、その作品を追っていく。長編デビュー作となったドキュメンタリー映画『沖縄列島』から、初の劇映画で日本映画監督協会新人賞を受賞した『やさしいにっぽん人』、その後、『日本妖怪伝サトリ』からはじまり、芸術選奨文部大臣賞を受賞した『サード』、『もう頰づえはつかない』、『四季・奈津子』、『マノン』、『ザ・レイプ』、観客動員数200万人を超える大ヒットを記録した『橋のない川』、ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞し、その名を世界に知らしめた『絵の中のぼくの村』、そして『ボクの、おじさん』、『わたしのグランパ』、『風音』、『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』、につづく最近作『だれかの木琴』までを網羅する。
また対談という形で、東陽一と東作品で主演をつとめた俳優たちが、当時の映画のバックストーリーや、東の映画に対するスタンスを語り合っている。2作品に出演し、東作品初のヒロインとなった緑魔子、続く烏丸せつこ、そして最近作から常盤貴子という豪華な顔ぶれが揃った。
映画関係者からは、映画作家で早稲田大学名誉教授でもある安藤紘平が本作の監督小玉憲一と『サード』、『だれかの木琴』から見た東陽一を語っている。また全編を通じて流れるバッハの「シャコンヌ」は撮影当時15歳の中学生だった、新進気鋭のクラシックギタリスト、大谷恵理架によるものである。
その生い立ちから、映画監督となり20本を超える映画を作った今日に至るまで、東作品はもちろん、東陽一自身をインタビューや対談、フィルモグラフィーを通してひもといていく。『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』は東陽一ファンであれば間違いなく楽しむことが出来る、そうでない映画ファンにとっても、日本映画史の1ページを知る上で大変興味深いものになっているはずだ。
本作はその人生を映画にささげた1人の男の歩みと、映画への想いが詰まったドキュメンタリー映画である。
Cast / Staffキャスト・スタッフ
東 陽一 Higashi Yoichi
1934年生まれ。長編第一作はドキュメンタリー作品『沖縄列島』(69)。初の長編劇映画『やさしいにっぽん人』(71)で日本映画監督協会新人賞を受賞。『サード』(78)でキネマ旬報ベストワン、芸術選奨文部大臣新人賞などを受賞し、映画監督としての地歩を固めた。
その後、桃井かおり主演『もう頰づえはつかない』(79)、烏丸せつこ主演『四季・奈津子』(80)、田中裕子主演『ザ・レイプ』(82)など女性の美と生を巧みに描いた快作で高い評価を得る。『橋のない川』(92)では観客動員200万人を超えるヒットを記録。続く『絵の中のぼくの村』(96)でベルリン国際映画祭銀熊賞など国内外で数多くの賞を受賞。石原さとみ・菅原文太主演『わたしのグランパ』(03)ではモントリオール世界映画祭最優秀アジア映画賞、浅野忠信・永作博美主演『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』(10)で日本映画批評家大賞監督賞を受賞した。最近作に常盤貴子・池松壮亮主演『だれかの木琴』(16)がある。
2024.01.25 嬉しいお知らせです!
東陽一監督が「第47回日本アカデミー賞・会長功労賞」を受賞されました。
永年にわたり多大なる貢献と顕著な実績をしるした映画人に贈られる賞です。
おめでとうございます!
常盤 貴子 Tokiwa Takako
1972年生まれ。1991年女優デビュー以降、テレビドラマ、映画と数多く活躍。TVドラマ代表作に「愛していると言ってくれ」(95/TBS)、記録的な視聴率を樹立した「ビューティフルライフ」(00/TBS)などがある。
映画『赤い月』(04)では、第28回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。最近の出演作品に「グッドワイフ」(19/TBS)、連続テレビ小説「まれ」(15/NHK)、映画『野のなななのか』(14)、『花筐/HANAGATAMI』(17)などがある。
東陽一監督とは『だれかの木琴』(16)で主役の親海小夜子を演じ注目を集めた。
烏丸 せつこ Karasuma Setsuko
1955年生まれ。79年に6代目(80年度)クラリオンガールに選出され、芸能界デビュー。『海潮音』(80)に出演し、女優としてのスタートをきる。同じ頃五木寛之原作の『四季・奈津子』(80)で東陽一監督と出会い初主演し、日本アカデミー賞主演女優賞・新人賞、ゴールデンアロー賞新人賞を受賞。続いて東監督の『マノン』(81)でも主役を演じ話題になる。また、高倉健と共演した『駅STATION』(81)では日本アカデミー賞助演女優賞を受賞。
最近の出演作品には『64-ロクヨン』(16)、『二重生活』(16)、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(16)、『祈りの幕が下がる時』(18)、『教誨師』(18)などがある。
緑 魔子 Midori Mako
1944年生まれ。64年東映映画『二匹の牝犬』で衝撃的デビュー。同作でブルーリボン賞新人賞を受賞。その後、数々の巨匠監督や名演出家らの作品に出演し、唯一無二の存在感をスクリーンやステージに刻みつけてきた。映画『軽蔑』(12)での演技と長年の功績に対して、第21回日本映画プロフェッショナル大賞功労賞を受賞。
東陽一監督とは『やさしいにっぽん人』(71)、『日本妖怪伝サトリ』(73)の2作に続けて出演した。
最近の出演作品では、ドラマ『氷の轍』(16)、『いぬむこいり』(17)、『STAR SAND 星砂物語』(17)などがある。
安藤 紘平 Ando Kohei
1944年生まれ、映像作家/早稲田大学名誉教授。
繊細で独創的な表現力で知られる映像作家。作風は一貫して“時の移り変わり”を描いた作品が多い。天井桟敷に在籍、故寺山修司の勧めで映画を撮り始める。第一作『オー・マイ・マザー』は、電子映像を使った日本最初のフィルム作品で、1970年オーバーハウゼン国際短編映画祭入選、アメリカ・ゲッティ美術館をはじめ横浜美術館などに収蔵。『アインシュタインは黄昏の向こうからやってくる』(94)、「フェルメールの囁き」(98)などの作品で、ハワイ国際映画祭銀賞、モントルー国際映像祭アストロラビウム賞などを受賞。96年3月には、タンペレ国際短編映画祭で寺山修司、手塚治虫らと共に特集が組まれる。フランス国際映画祭の審査委員長など多数の映画祭の審査委員を歴任。
現在、東京国際映画祭プログラミングアドバイザー。
大谷 恵理架 Otani Erika
テキサス州生まれ、東京育ち。9才から斎藤浩氏の教室でクラシックギターを習い始め、2015年より朴葵姫氏、2018年より徳永真一郎氏に師事し現在に至る。これまでにM. ディラ、福田進一、D. ラッセル、J. ペロワ、R. シュミッツ、O. ギリア、M. バルエコ、G. ビアンコ、A. ピエッリなどの世界的なギタリストのマスタークラスを受講(年代順)。
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2019年度 |
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監督
小玉 憲一 Kodama Kenichi
1978年生まれ。宮崎県出身。宮崎私立鵬翔高等学校卒業。2002年、東北新社映像テクノアカデミア映画学科入学。同校卒業後、フリーディレクターとしてCMやテレビ番組を多く手掛ける。
2006年から東北新社映像テクノアカデミア映像編集科・映画学科の講師を務める。
2014年、文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」において、若手映画監督15人 に選出される。
2019年、ドキュメンタリー『五ノ神の山車 百年先を造る』が全国広報コンクールにて準グランプリを獲得。
Trailer予告編
Theater劇場情報
エリア | 劇場 | スケジュール |
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DVD |
『現在地はいづくなりや|映画監督 東 陽一』DVD発売情報 DVD仕様:カラー/日本語ステレオ/16:9/ドルビーデジタル |
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東京 (中野区) |
ポレポレ東中野 〒164-0003 東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル地下 map TEL 03-3371-0088 |
20/10/24(土)~30(金) |
再上映決定!! 10/24(土)、25(日)に監督舞台挨拶有りこの度、ポレポレ東中野では10月24日(土)より再上映が決まりました。 小玉憲一監督の舞台挨拶が10月24日(土)、25日(日)にあります。 詳細は、当公式サイト、劇場公式サイト、SNSなどでご案内いたします。 |
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愛知 (名古屋市) |
名古屋シネマテーク 〒464-0850 愛知県名古屋市千種区今池1-6-13 スタービル2F map TEL 052-733-3959 |
20/3/7(土)~13(金) |
1日1作品上映 3/14(土)~3/20(金)『やさしいにっぽん人』 『沖縄列島』 『マノン』 『日本妖怪伝サトリ』 |
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神奈川 (横浜市) |
シネマ・ジャック&ベティ 〒231-0056 神奈川県横浜市中区若葉町3-51 map TEL 045-243-9800 |
coming soon |
大阪 (大阪市) |
シネ・ヌーヴォ 〒550-0027 大阪府大阪市西区九条1-20-24 map TEL 06-6582-1416 |
20/9/12(土)~18(金) 20/9/19(土)~25(金) シネ・ヌーヴォX |
小玉憲一監督トークショー 9/12(土)
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宮崎 (宮崎市) |
宮崎キネマ館 〒880-0805 宮崎県宮崎市橘通東3-1-11 アゲインビル2F map TEL 0985-28-1162 |
20/11/21(土)~27(金) |
初日から三日間、小玉憲一監督(宮崎県出身)舞台挨拶あります!!11月21日(土)、22日(日)、23日(月祝)の上映後、小玉憲一監督の舞台挨拶があります。 |